不動産担保ローン関連用語

留置権

他人の物の占有者がその物に関して生じた債権の弁済を受けるまでその物を留置することのできる担保物権(民法295条〜302条)。たとえば、時計の修繕を頼まれた時計屋は、時計の持ち主が修繕代金を払うまでは留置権に基づいて、修繕した時計の返還を拒絶することができる。留置権は、留置した物に関して生じた債権を担保するために法律上当然に生じる担保物権であって、この点において、質権や抵当権のように当事者の契約によって生じる担保物権とは異なる。また留置権は、留置することによって間接的に債務の弁済を促す働きをもつ物権であるから、物の価値を把握するという性格を有するものでない。しかし、不動産留置権者は留置する物が競売された場合に買受人から債務の弁済を得ることができ(民事執行法59条4項・188条)、動産留置権者は差押えを拒絶することができる(同法124条・190条)から、留置権者は優先弁済権を有するのと実質的に異ならない。なお、債務が長い間弁済されないときには、留置権者は留置物を長い間保管しなければならないことになるが、このような不便から留置権者を解放するために、民事執行法では、留置権者が競売できるものとしている(195条)。