不動産担保ローン関連用語

賃借権の対抗力

長年、借りていた土地に抵当権が設定登記され、その抵当権が実行され競売になった場合には、競売によって取得した競落人に土地の賃借権を主張できるのでしょうか?

抵当権と賃借権の関係では、抵当権の設定登記に先立って対抗する要件を具備していなければ、抵当権を消滅させる競売等により、競落した者に対し賃借権を対抗することができないというのが原則です。

賃借権の対抗力とは、@賃借権の登記をしたとき(民法605条)、A建物所有の目的の借地について、登記されている建物を所有するとき(借地借家法10条1項)、B借家につき、建物の引渡しがあったとき(借地借家法31条1項)に取得されます。

例外的に抵当権登記後の賃借権登記で抵当権者の同意の登記がある場合(民法387条)があるが、まさに例外で現実にはほぼありえないでしょう。

最後に、賃借権の取得時効については平成23年1月23日の最高裁の判決で「対抗することはできない」と結論しています。「不動産につき賃借権を有するものがその対抗要件を具備しない間に、当該不動産に抵当権が設定されてその旨の登記がされた場合、上記の者は、上記登記後、賃借権の時効取得に必要とされる期間、当該不動産を継続的に用益したとしても、競売又は公売により当該不動産を買い受けたものに対し、賃借権を時効により取得したとして、これを対抗することはできないことは明らかである」と判示しました。尚、賃借権の取得時効についての判例では、土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、それが賃借の意思に基づくことが客観的に証明されれば、土地賃借権の取得時効が可能とされてはいます。