不動産担保ローン関連用語

会社分割

会社分割とは、企業組織再編の手法の一つである。会社分割制度とは、企業が事業の一部を切り離し、新会社として独立させたり、他の企業に承継させたりする制度です。企業の国際的競争力を向上・維持させる目的で、日本政府は、柔軟な組織再編成を迅速に進めるための法整備を行ってきました。1997年に合併制度の合理化・簡素化を図り、1999年に株式交換制度・株式移転制度を導入し、そして2001年4月1日に会社分割制度を導入しました。従来の制度でも会社分割を行うことは可能でしたが、裁判所が選任する検査役による検査や、債権者の個別の同意が必要で、多大な手間・資金・期間を要するものでした。会社分割制度では、検査役の検査や債権者の同意は不要で、事業部門の独立や分離が容易に行えるようになりました。

会社分割制度には、いろいろな利用方法があります。成長部門を切り離して独立させ競争力を強めたり、不採算部門を切り離して他の企業に吸収させたりすることができます。また、持株会社による事業統合など、同一企業グループ内の重複する部門を集約・統合させることもできます。有限会社も、この制度を利用することが可能です。中小企業の優良・成長部門を切り離して大企業に売却するなど、有限会社と株式会社の間で分割を行うことができます。

会社分割制度には、新設分割と吸収分割の2つの形態があります。新設分割とは、新しく設立する会社に、企業が切り離した事業を承継させることです。優良・成長部門の独立などに利用されます。吸収分割とは、既存する他の会社に、企業が切り離した事業を承継させることです。同一企業グループ内の重複する事業部門を整理・統合したり、大企業が中小企業の優良・成長部門を吸収する場合などに利用されます。さらに、新設分割と吸収分割は、物的分割と人的分割に分けることができます。

会社分割を行う際に、事業を承継する会社は、承継する事業の対価として株式を発行します。この株式は、分割を行った会社または、分割を行った会社株主に割り当てられます。物的分割とは、分割を行った会社に、株式を割り当てることをいいます。人的分割とは、分割を行った会社の株主に、株式を割り当てることをいいます。新設分割における物的分割では、新しく設立する会社が発行する株式は、分割を行った会社にすべて割り当てられます。したがって、完全親会社と完全子会社の関係が成立します。新設分割および吸収分割における人的分割では、事業を承継する会社が発行する株式は、分割を行った会社の株主に割り当てられます。そのため、株主は、両社(事業を承継する会社と分割を行った会社)の株式を所有することになります。会社分割を行うには、まず分割計画書(吸収分割の場合は、分割契約書という)を作成して、株主や債権者などに事前に開示します。そして、株主総会の特別決議(3分の2以上の賛成)によって承認されます。吸収分割の場合には、2社(事業を承継する会社と、分割を行う会社)の株主総会の承認が必要です。ただし、分割される資産が総資産の20分の1以下と少なければ、株主総会の承認は必要ありません。分割を行う会社が債務超過の場合や、分割によって債務超過となる場合には、会社分割を行うことはできません。分割に反対する株主には、株式買取請求権が付与され、分割を行う会社に、株式を買取ってもらうことができます。分割に異議のある債権者は、分割を行う会社に、弁済を求める意義を申し立てることができます(株主総会の承認から2週間以内)。分割を行う会社は、分割を理由に、労働者を解雇することはできません。会社分割制度の導入と同時に成立した、会社分割労働契約承継法(労働承継法)によって、労働者の労働条件は保護されています。分割を行う会社は、承継される事業に従事する労働者を、労働者本人の同意がなくても承継させることができます。しかし、承継される事業に従事していない労働者の場合は、労働者本人の同意が必要となります。承継される事業に従事する労働者が承継されない場合と、承継される事業に従事していない労働者が承継される場合、労働者は異議を申し立てることができます。異議は認められ、承継される事業に従事する労働者は承継され、承継される事業に従事していない労働者は承継されないことになります。また、承継された労働者の労働条件も、そのまま承継・維持されます。労使間の合意なしに、労働条件を変更することはできません。

会社分割制度の導入により、企業は、さまざまな組織再編成を行うことが可能になりました。労働者も事業とともに承継されるため、労働者が最初に就職した企業に定年まで雇用されるという終身雇用制が失われようとしています。

以上出典元は不明ですが、引用したものです。