不動産担保ローン関連用語

債権譲渡

債権の同一性をそこなわないで、従来の債権者から第三者(債権譲受人)へ契約によって債権を移転することです。債権は原則として譲渡性がありますが、債権の性質によっては譲渡が許されない場合や、法律で譲渡が禁止されている場合、※債権譲渡の禁止特約がある場合があります(民法466条以下)。債権譲渡の場合の対抗要件は債権の種類によって異なります。証券化された債権の譲渡については、特に取引の安全が図られています。

以上の出典元は、百科事典マイペディア(日立システムアンドサービス 2005 現 日立ソリューションズ)

商工ローンSFCGが債権二重譲渡 信託銀・日本興業銀行に

経営破綻した商工ローン最大手のSFCG(旧商工ファンド)が、他行に譲渡した貸出債権を日本興業銀行に二重譲渡していたことが、関係者の話でわかった。不正取引の発覚を受け、各行が債権譲渡の権利を主張しあう構図になっている。

SFCGは貸し倒れリスカが高い中小・零細企業に高めの金利で貸していたが、自らの資金繰りが悪化。2月23日に3380億円の負債を抱えて破綻する直前まで、こうした貸出債権を譲渡し、資金調達を図っていた。一方、貸出先を自力で開拓する手間を省けるとみた新規参入の日本興業銀行は、SFCGから3万5千件の債権を購入。関係者によると、総額は800億円程度とみられる。

ところが、同行が買い取った債権に、別の複数の信託銀行に譲渡済みのものが含まれていることが、SFCG破綻後に発覚。SFCG側の弁護士が今月、関係銀行に事情を説明した。現在、SFCGと各行が二重譲渡の規模や経緯などを調べているほか、金融庁も事情を聞いている。

日本興業銀行の取材に「すべての債権譲渡で法的に有効な登記をしている」と回答。「全件調査しているが、二重譲渡の金額は不明」とする一方、「(損失に対する)十分な金額の保全を確保している」ため影響は軽微という。

SFCGから貸出債権を譲り受けた信託銀行各行も登記しているという。ある信託銀行は「二重譲渡はSFCGが意図的にしなければできないことだ」と批判するが、SFCG側の弁護士は取材に「ノーコメント」と説明を拒否している。

二重譲渡をめぐるトラブルとしては、音楽プロデューサーの小室哲哉(公判中)が、レコード会社などに譲渡していた自作の曲や歌詞などの著作権を再び別の投資家に売った事件がある。

一方、債権譲渡に伴って債権者が入れ替わるが、SFCGによる通知の遅れで、借り手にも混乱が広がっている。

日本興業銀行は、SFCGから貸出債権を買った際、過払い利息をめぐって弁護士が介入した案件なのに「介入案件ではない」とウソの説明を受けたケースなども指摘。SFCGが昨年9月に借り手に一括返済を求めたことも社会問題化している。

«2009年3月23日朝日新聞朝刊より»

尚、2009年4月21日にSFCGは破産手続開始決定を受ける。2010年6月16日、警視庁捜査2課は破産管財人から告発されている会社法違反(特別背任)や民事再生法違反(詐欺再生)の容疑などで、大島健伸、大島嘉仁ら4人を逮捕した。

※債権譲渡の禁止特約が焦点

法制審議会の民法(債権関係)部会が取り組む民法改正試案の作成に向けて議論が4月、1つのヤマ場を迎える。焦点は中小企業などの債権者に債権譲渡を認めない「債権譲渡禁止特約」の存廃。この禁止特約のために中小企業が資金調達しづらいとの指摘があり、「禁止特約はなくすべきだ」という意見がある一方、大企業などには「禁止特約をなくせば、債務者にとって著しい不利益になる」との意見もある。同特約の是非を巡り、関係者間の綱引きが激しくなっている。

«2012年4月2日日経新聞朝刊より»